「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」のメカニズムとは?

人の眠りには、身体を休める浅い眠りの「レム睡眠」と、脳を休める深い眠りの「ノンレム睡眠」の2種類があります。わたしたちは睡眠中、この2つを90~120分のサイクルで繰り返しています。

レム睡眠・ノンレム睡眠とは?

眠りにつくとまずはじめにノンレム睡眠の状態になります。時間の経過とともに眠りが少しづつ深くなり、深い睡眠状態が続きます。その後、睡眠が浅くなり、レム睡眠へと移行するサイクルを繰り返します。

レム睡眠中は、全身の筋肉は低下しますが、脳は活発に動いています。この間に、1日の記憶の整理や定着をしたり、夢を見たりします。心拍数や呼吸数は増加して不規則な状態となり、呼吸も浅くなります。

一方、ノンレム睡眠中は、筋肉はある程度動いていますが、脳は休息状態に入っています。心拍数や呼吸数は安定しており、深くゆったりした呼吸をしています。ノンレム睡眠は、3段階に眠りの深さが分けられており、眠りが深ければ深いほど脳の休息も深くなります

交互に現れるレム睡眠とノンレム睡眠

レム睡眠とノンレム睡眠は90~120分のサイクルで、一晩のうちに3~5回繰り返します。レム睡眠とノンレム睡眠の割合は成人の場合、レム睡眠が20%、ノンレム睡眠が残りの80%程度と言われています。

睡眠時間の後半、つまり、起床時間に近づく時間帯はノンレム睡眠が増え、早朝になるとレム睡眠状態になることが多くあります。このように2種類の睡眠が交互に入れ替わり、疲れた身体と脳を回復させ、翌朝に向けて覚醒するように整えられていきます

睡眠の質を高めることは大切!

身体や脳の疲れをしっかりと回復させるためには、深い睡眠状態に入る前の前半の睡眠を充実させる必要があります。なぜなら、深い睡眠であるノンレム睡眠は睡眠の前半に集中する傾向があり、寝始めてから最初の3時間が、1晩の深い眠りの80%以上を占めるからです。

脳には身体で覚える記憶と知識として覚える記憶の2種類がありますが、この状態の時には覚える記憶を脳で整理しています。つまり、身体で覚える記憶は、睡眠の後半に行われるので、睡眠時間が3~4時間程度ではその目的を果たすことができていません。

そのため、脳と身体をしっかり休め、機能を回復させるためには、1日7時間程度の睡眠を確保する必要があります。その際、ただ眠りにつけばよいというものではなく、睡眠の質も関係します。そのために、自分に適した寝具選びをすることはとても重要です。